事務がラクな仕事かどうかは、適性で決まる




事務はラクな仕事かどうか

答えはイエスでもあり、ノーでもある

人間、誰でも楽したいですよね。

肉体的な負荷があまりなく、「机に座っていればできる仕事」というイメージの事務。

特に専門的な知識を必要としない一般事務は、経験もそこまで重視されず、未経験でも挑戦しやすい敷居の低いお仕事。

そんなことから事務の仕事を「楽そうだ」という理由メインで選択した私。

結果、楽でもあり、キツくもありました。

要は向いていれば、楽だし、そこそこの成果はあげられて、向いていなければ、最悪登社拒否になります。

この記事を読んで、自分が向いてそうか、シミュレーションしてみてください。

事務仕事の辛い点

集団事務の辛い点

事務には、複数の事務職の人と協力して作業する職場(ここでは集団事務と呼ぶ)と、事務員が1人しかいない職場(1人事務)で働く場合と2パターンがあります。

それぞれ別の大変さがあります。

まず、集団事務の場合、事務員が自分以外にもいるということで、自分の仕事を頼みやすい(休みをとりやすい)という大きなメリットがありますが、集団で働くということは、周囲に合わせなければいけない、ということでもあります。

ミスをすると、事務チームの連帯責任になるため、お局様に怒られたり、肩身の狭い思いをすることも。

チームワークを要求されるので、空気を読んだり、周りと足並みを揃えるのができない、面倒だという人には重荷になる可能性があります。

 

1人事務の辛い点

その点、1人事務は気楽です。

1人でその事務所の全ての事務をとりしきるので、自分の仕事に関しては、自分のやりたいようにやれる部分が多いです。

派閥とか女同士の足の引っ張り合いなど、人間関係のしがらみとはほぼ無縁

ただし、仕事を休むと他にやってくれる人がいないため、理由に関係なく、仕事が休みづらいです。

また、事務所の受付や電話番を兼ねている場合は、来客や電話が続いて、勤務中トイレに行きづらい状況になることも。

トイレを我慢して膀胱炎になってしまう人もけっこういるようです。

こうなると、肉体的にもけっこうハードです。

 

事務に向かない人

ずっと座っているのが苦痛な人

座っているのは楽なはずですが、実は1日の大半を座っているのって、人によってはストレスになります。

頻繁に外の空気を吸いたくなったり、頻繁に体を思い切り動かしたい衝動にかられる。。。

体を動かした方が、いいアイデアが出るはずなのに!と思ったり、この事務室は空気が悪い!と仕事ができない口実が色々と思い浮かび、仕事に集中できない。

そういう人は、事務だけの仕事には向いていないかもしれません。

でも、後述しますが、体を動かしたい欲求が強いのは、むしろ健康的にとてもいいことです。

 

パソコンが苦手な人

パソコンをほとんど使わない事務もありますが、大半の事務が、パソコンを使った作業が主となります。

パソコンでできることは日々増えていっているので、パソコンによる業務の効率化についていけない人材は、職場で居場所がなくなってしまうでしょう。

一般事務で必要とされるのはそこまで高いパソコンスキルではないので、得意でなくても、意欲的に覚えようとすることが大切。

パソコンに苦手意識があるけど、事務はやりたい!という人は、初心者向けパソコンスクールで基礎から学んでみてはいかがでしょうか。

 

お腹を下しやすい人

最初の「ずっと座っているのが苦痛な人」とかぶりますが、胃腸が弱く、トイレ頻度が多い人は、結果的にずっと机に座っていることができないので、事務向きではないですね。

ずっと机に座って、電話をとったり、書類を作ったり、整理したりするのが事務なので。

しょっちゅう離席していると「あいつは仕事をしているのか?」となります。

営業なら、成約件数さえあれば、会社にほとんどいなくてもお咎めなしですが、事務は席にいないと「仕事をしていない」とみなされます。

多分、ちゃんと書類を作ったりしていても。

職場にいる、ってことが事務の大前提なんですよ。

もちろん下痢止めや整腸剤を飲んで仕事をこなしている、お腹の弱い事務員さんもたくさんいると思いますが、薬漬け()になりますし、気の毒です。

 

人生100年時代、何歳まで事務を仕事にできるか?

老眼との闘い

人によっては、事務仕事は体力的に楽だから、年をとっても続けられるんじゃないか?と考えるのではないでしょうか。

私もいつまで事務の仕事を続けられるのか、それは気になるところ。

ちなみに今働いている職場(役所系集団事務)では60歳の同僚もいます。

私は今43歳ですが、一番危機感があるのは、老眼。

少しずつ老眼が始まっていて、書類の字が見えにくいと感じることが増えてきました。

パソコンで書類を作成するときは、文字の大きさを任意の大きさに変えられるので老眼が進んでも問題ないのですが、もともとある書類の字を拡大することはできないので、ルーペで確認するしかない。。。

いちいちルーペで確認していたら時間が大幅にかかってしまうし、そもそもぱっと見て字が識別できないことで、ミスが誘発されそう。

 

物覚えが悪くなったら&パソコンについていけなくなったら

あとは、年配の同僚の方と一緒に働いていてよく聞くのが、「記憶力が劣った、パソコンが覚えられない」ということ。

仕事に支障をきたすほどではないと思うんですが、若い人と働くと、比較して実感するようです。

ちなみにマサチューセッツ工科大学の脳のピーク年齢による調査によると、

集中力・・・43歳前後がピーク

計算能力、新しい情報を学び、理解する能力・・・50歳前後がピーク

なんだとか。

新しいことを学んで理解する能力は50歳前後まで伸び続けるということを踏まえると、事務仕事も50歳前後までは上達を期待して続けることができるかな、という自信にはなりますね。体が健康であれば、ですが。

ただ、それ以後は、集中力も新しいことを覚える能力も下降線ということで、60歳を過ぎても働きたいと考えるなら、それまでと同じような働き方だと、少し厳しくて、どこかでシニアにメリットのある働き方にシフトチェンジをはかるといいのかなという風に思います。

 

事務仕事は健康リスクの高い仕事だった!

事務職は認知症になりやすい!?

事務と認知症

向いている人には楽な事務職ですが、実は、楽であればあるほど、健康リスクが大きいということは、抑えておかなければいけないポイントです。

アルツハイマー協会の国際会議では、複雑な思考を使う仕事や人とコミュニケーションをとる仕事が、認知症の発症を遅らせたり、予防したりすると発表しました。

レジ打ちや機械オペレーターといった単純労働者は認知症になりやすく、医師や弁護士やソーシャルワーカーなどより脳を使う職業は、認知症になりにくいということがわかったということです。

事務にもいろいろな事務がありますが、より単純で定型的な事務作業を長年続けている人は、職業上認知症になるリスクが高いということです。

 

1時間以上座りっぱなしは寿命を縮める!?

また、近年座りっぱなしはエコノミークラス症候群を引き起こし、ひいては寿命を縮めるという見解が広まりつつあります。

なんでも1時間座り続けると、寿命が22分短くなるんだとか。

20~30分に1回は立って軽い運動をすると、リスクが回避できるそうです。

土日に運動したとしても、平日の勤務時間中座りっぱなしのリスクを補うことはできないんだとか。怖い。。。

そうすると、事務仕事に限らず、デスクワークは、この座りっぱなしリスクの非常に高い仕事ということになりますね。

事務=楽(人によっては)だけど、長生きはできない仕事ということになります。。。

世の中、やっぱり甘くない!?

長く続けていこうと考えるなら特に、健康管理面の対策が必要かもしれません。