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親のために書かれた絵本で癒された日々
子どもが小さい頃は、子どもと一緒に絵本を読むことが多いですよね。
息子が生まれて、たくさん絵本を読む中で、子どもではなく「親にメッセージを送っている」本があることに気付きました。
「親を幸せにすることで、結果的に子どもを幸せにするのがねらい」の本とでもいいましょうか。
子どものためと思って絵本を読んであげているつもりが、自分の方が育児に疲れた心を癒してもらっていた。。。そんなことが何度かありました。
そこで、子どもと一緒に読める、大人も感動して「明日からまた頑張ろう」と思える絵本ベスト3を選びました。
子どもを満たすことに疲れてしまったら、ぜひ自分自身を楽しませ、心を震わせてあげてください。
ラチとらいおん
何といっても一番はこの絵本です。
絵もかわいらしく、お話もシンプル。
そして最後のらいおんからの手紙に、涙がどっとあふれ出ます。
実際、私も3歳の息子に読みながら泣いてしまいました。
結局子どもにとっての親は、ラチにとってのらいおんのような存在に違いない、と思います。
いつまでも見守っていたいけれど、そういうわけにもいかない。
いつか離れるときが来る。でも、ラチがらいおんを必要としなくなるぐらい強く、立派になることがらいおんの一番の願い。
可愛さと愛しさと切なさとが詰まった宝物のような絵本です。
だめだめママだめ!
これは感動するというより、面白くて笑い飛ばすうちに、親としての肩の荷がふっと軽くなる、そういう本です。
息子には4歳頃に読んで、その後の息子のリクエストもかなり多かったです。
全然言うとおりにしてくれない我が子に腹が立つやら自分の無能感を痛いほど感じるやら・・・初めての幼児を育てる体験にいっぱいいっぱいだった当時の自分。(今も小学生に手を焼いていますが💦)
そんな自分がこの絵本で見たのは、幼児の息子と入れ替わるかのように、部屋を散らかし野菜を残し、おかしな服装で外に飛び出す、「ダメなこと」をとことんやり尽くすママの姿。
そんなママの様子を心配して見守る主人公の男の子。
自分も子どもの頃、こんな感じだったよなぁ。
あれもダメこれもダメ、子どもに「ダメダメ」言い過ぎていたなぁ。
読み終えた後、明日からはもっと子どもに寛大になろう、と決心したものです。
数日後また「ダメ!」って言っちゃうんですが💦
おおきな木
この本は「ラチとらいおん」と、テーマが似ている部分もありつつ、ストーリー自体がより長く、より寓話的です。
少年がおじいちゃんになるまでが描かれ、1冊の中に長いようで短い人の一生がうまく詰まっているところが見事だなと思います。
壮大な生物の命の連鎖の中に生きている自分を実感させられ、親に何にも孝行できなかったな、とか年をとるって実際こういうことだよな、とか、本当に色々な思いが去来します。
この本は「ラチとらいおん」「だめだめママだめ!」と違って、子ども、というか青年までは、読んでも面白くないかもしれません。
老いを実感できるようになった年代からが、この絵本の深いメッセージを味わえることでしょう。
ただ、例え子どもにはよくわかっていなかったとしても、私には子どもを膝の上に乗せてこの本を読んだことは限りなくいい思い出です。
人生のなんどき読んでも胸に染み入る名著だと思いますが、人が成長するということを俯瞰でとらえられるので、育児の真っ只中に読むことで新たな視点や気づきを与えてくれます。