目次
コミュニケーションを本から学べるか?
コミュニケーション力の向上って、自分の実体験から言えば、実践あるのみと思っていました。
それこそ、幼稚園の砂場で学ぶ、みたいな。人間関係の構築方法なんて、子どもの頃に教えてもらった記憶なんて全くありません。
でも、最近の子は発達障害うんぬんに関わらず、コミュニケーションの機会が少ないということは疑いようがないと思います。兄弟、家族の人数が少ないし、家族以外と密にコミュニケーションをとる機会も、昔に比べれば圧倒的に少ない。コロナ禍が拍車をかけましたし。
だから、経験の不足を知識で補うというのは、自然なことだと思います。
まして、発達障害児は、コミュニケーションにおいてもハンデを負いがち。
脳や気持ちの発達が追いつくまでは、コミュニケーションスキルを理屈や型で覚えるというのも、彼らの助けになると息子の姿を見ていて感じています。
我が家で「これは役に立つ!」「読んで良かった」と思った本を挙げてみます。
我が家のおすすめ1.クレヨンしんちゃんの友だちづきあいに大切なこと(小学校低学年~)
この本の良いところは、半分がクレヨンしんちゃんのマンガで、親しみやすいところです。
文章の部分も、やさしいことばで、とてもわかりやすい。
うちは小3で購入しましたが、実際に本人がグループ学習のときのメンバーとの人間関係に悩んでいる時期だったので、自分で読んだり、私に「読んで」と言ってきたり、かなり本の内容を参考にしているようでした。
例えば以下のような見出しのページを、何度も「読んで」と言っていました。
・ちょっと苦手な友だちとどうつきあう?
・リーダーシップをとっていたら「命令しないで」と言われた
・何をして遊ぶかで意見が対立したら…
我が家のおすすめ2.学校では教えてくれない大切なこと45 感情とのつきあい方
学校では教えてくれない大切なことシリーズの最新刊(2023年12月現在)。
ちなみに学校では~シリーズにはすでに「友だち関係」3部作があって、コミュニケーションスキルについてはその3冊がより詳しく網羅されているので、そちらがまだ未読の場合は、まずこの3部作を全て読むのがおすすめです。
「感情とのつきあい方」は、自分のネガティブな感情にどう向き合うかがメイン。3部作の中では学校では教えてくれないこと⑥友だち関係~気持ちの伝え方に一番近い内容で、続編のような感じにもとることができます。
不安なときどうする?
緊張するときどうする?
さびしいときどうする?
イライラが治まらないときどうする?
怒りが収まらないときどうする?
といったことをマンガを読みながら主人公と一緒に自然に学んでいける形になっています。
不安感が強い子や、怒りのエネルギーが強く、学校生活に支障をきたしている子には、こちらの最新刊もおすすめです。息子はまだ自分が「怒りっぽい」という自覚はそこまでないようですが、こちらの本も置いておくと自然と読んでいます。
我が家のおすすめ3.イラスト版子どものソーシャルスキル「友だち関係に勇気と自信がつく42のメソッド」
これは、本人が読むというより、親が読んだ方がいいなと思う本です。
実際、うちではこの本を読むのは、夜寝る前の親子の読み聞かせタイム。
イラストが多く文章もわかりやすいですが、漢字のルビは一切ないので、一人で読むなら小学校高学年ぐらいからだと思います。
内容は、コミュニケーションスキルについて「療育」的に、非常に丁寧にわかりやすく説明してくれています。
例えば「友だちにからかわれたとき」
- 「落ち着けのスキルセット」を実行する
- 落ち着いた口調で「やめて」という
- 無視してその場からはなれる
- 「先生に相談する」という
こうやってひとつひとつ、どうすればいいかを段階的に教えてあげるといいようです。
一気に理想的な対応をするのは難しくても、今日はここまで頑張ってみよう、というスモールステップ方式なら、本人にも取り組みやすいと思います。
私はこれまで具体的・専門的な療育の本についてはほとんど読んだことがなかったので、今回買ってみてとても良かったのでおすすめしたいと思います。
友人関係につまずいている子について、こういう風に考え、こういう風に実践していけば、自分の行動を変えることができる、と家庭で具体的にアドバイスができるということは、今だけではなく今後も大きな子どもへの支援になっていくと感じます。
息子も、まだ友人トラブルが減った!というところまではいきませんが、親が自分の困り事に対して真剣に相談に乗ってくれている、という気持ちの中、安心して寝落ちしています(笑)