発達障害持ちの親は育児も”詰む”?  育児で苦手なこと、得意なこと。




発達障害特性を持つ人は、社会のいろいろなところで”生き辛さ”を感じることが多いです。

仕事をする上でもそうですし、親になって育児をするときも、やはり特性の存在と無縁ではいられないというのが私の率直な感想です。

そこで、私が8年間の育児を通して実感していることを中心にまとめてみたいと思います。「自分は特性を持っているけれど、うまく子育てできるかな…」と不安に思っている人へ、特性持ちの育児の現状について、イメージする手助けができると嬉しいです。

育児は多要素過ぎて、発達障害だからNGと一概には言えない

結論から先に言ってしまうと、発達障害の特性があるからといって、子どもが育てられない、という風に感じたことはありません。ただし、いわゆる”毒親”になるリスクはそうでない人に比べると高いと思います( ;∀;)

まず、育児の全体像ですが、子どもが成人として自分で判断し生活できるようになるまでを支えること全てだと言えます。
子どもがいずれの年齢でも、安心して過ごせる環境を用意して、社会化を促していかなければいけないので、養育者の仕事は多岐に渡ります。

育児の内容は子どもの年齢によって変わる
  • 乳幼児期      身の回りのお世話、情操教育など
  • 小学生       自立のために必要なことを手助けしながら教えるなど
  • 中学生・高校生   思春期の逸脱行為の見守り、進路相談など

もちろん多岐に渡る育児タスクの中には、誰でも得意なことと、そうでないことがあります。子どものために清潔な環境を用意したくても、掃除が苦手な親もいるし、栄養バランスに優れた食事を食べさせたくても、料理が苦手でなかなか難しい親もいる。

だから、特性の有無に関わらず、育児タスクの出来に多少凸凹があっても、育児放棄や虐待といった行為がなければ、基本問題ないのだと思います。完璧な人間、完璧な家庭なんてありませんから。

特性ゆえ苦手と感じる育児タスク

もちろん特性ゆえに苦手なんだろうなぁと思う育児タスクもあって、それが私の場合は以下のことです。

整理整頓系タスク(衣替え、学校の準備物、スケジュール管理)

育児というのは、子どもが小さい時は、寒暖や成長に伴う衣替えを頻繁に行わなければいけません。
子どもが小学校に上がれば、学校の日々の授業に合わせて子どもの持ち物を用意したり、忘れ物のないように管理しなければいけません。

私はADHD特性から物の管理がとても苦手なので、普段から整理整頓を後回しにしがち。
子どもの分はできるだけ優先的にやるようにしていますが、気をつけてはいても、慌てて冬物を追加購入することになったり、子どもに持たせるものを忘れてしまうミスはどうしても発生してしまいます。仕方ないのかなぁと思っています。

どんな時も子どもにおおらかに接すること

子どもは大人よりもできないことが多く、注意してもすぐ直るわけでもなくイライラすることが多いです。
また、子どもは大人よりも感情的なので、感情をぶつけられることが多いです。

特性を持っていたり、そうでなくてもメンタルが弱めの親は、そんな子どもの姿に強いストレスを感じることも。

私も自分のストレス耐性の低さから、子どもに対して口調がきつくなってしまうことは多々あります。
「ママは怒ると人格が変わる」と息子(8歳)から先日も言われました💦 ヒステリーというわけではないし、心理的虐待をしないよう心がけてはいるのですが、、、
毒親になるリスクがある、と先に書いたのはこの親自身のメンタルの弱さ、不安定さによるところです。
ストレスに強い親であれば、もっと大らかに育てられるのに、というのはよく思うところです。

育児と家事とのマルチタスク

育児だけならマルチタスク感はほぼないです。ただ、育児に家事が加わると、難易度が上がります💦

生き物が相手の待ったなしの育児を最優先に、合間に家事を適宜差し込んで処理していく。それだけのことなので割り切ってできればいいのです。
しかし、元々メンタルが弱いので、気がかりなことや心配事があると、それが気になりすぎて、家事タスクをこなす意欲がガクンと下がってしまうのです。

育児のちょっとしたことで疲弊しすぎて日課の洗濯や料理おろそかになってしまうということは、特性持ちならあるあるだと思います。

ストレスの弱さがマルチタスクへの弊害となること、育児と家事の両立を試みて痛感しました。

苦手な育児タスクの補い方

というわけで、私は特性持ちはメンタルが弱いことが毒親になってしまう最大のリスクと考えています。なので、なるべく自分が追いつめられないよう、楽しんで育児ができることを最優先に生活を組み立てています。
具体的に実践していることについて以下に挙げてみました。

①苦手なことは頼る・頼る・頼る!

とにかく自分の育児タスク・家事タスクを、他の人・モノに手伝ってもらっています。
一人で抱え込まず、いかにワンオペにならないようにするか。それが子どものためでもあるので、利用できるものはなんでも利用してやろうと思っています。

苦手な育児タスクを助けるもの

家事を時短 → 時短は常に考えたり、定期的にSNSなどでチェック

子のスケジュール・忘れ物管理 → スマホ登録、子どもにも管理しやすい仕組み作り

子守り →    (外部)習い事や放課後デイ
          (家庭)ゲーム、オンラインプログラミングスクールなど

②睡眠時間死守!

特性持ちの生活は、育児に限らず、精神的ストレスが多く、課題も人一倍多い

でも、しっかりと睡眠(休息)をとれば、みなぎる発想力と実行力で、何とか乗り切れてしまう(自分でもびっくり。どこから湧いてくるのかこのやる気。。。)。

ただし、これは十分な睡眠をとっていればこその話。
特性持ちの人は睡眠時間が長い人が多いと思うのですが、私も毎日9時間は寝ています。

③”得意”を最大限に生かした育児でメンタル安定!

育児に苦手なことがあっても、得意なこともあるはずです。
好きなことを育児と組み合わせれば、強みのある育児ができます。

例えば私は本が好きなので、8歳の息子にもまだ寝る前の読み聞かせを続けています。
また、甘いものが大好きで、健康を考えて手作りもしているので、息子のおやつにもちょくちょく手作りおやつを出しています。

本好き × 育児 = 読み聞かせ

お菓子作り × 育児 = 食育

というように、自分が好きなことをしながら、息子にも何かを伝えられて教育の一環にもなるということは、私の自信になります。

「育児中だから時間がない」「コスパが悪い」と言って自分が元々好きなこと、得意なことを封印するのは勿体ないことです。得意を生かした育児の時間をしっかり確保することで、苦手分野で凹みがちな特性持ちの育児全体の満足度を高めることができます。