一人っ子×特性もち×高齢親。。。戦略的に犬を飼う。




我が家は、夫婦2人に小学3年生の息子が1人の3人家族。
春に生後2ヶ月のヨークシャーテリアをお迎えして、現在犬の飼育歴3ヶ月です。

私はもともと動物好きで実家にいた頃は猫を飼っていたのですが、成人してからは、何かと自分のことでいっぱいいっぱいだったので動物を飼うことは考えたことがありませんでした。が、息子も自分でできることが増え、少し私の手が空いたことから育児の一環として犬を飼うことにしました。

ADHDの自覚もある、できない系主婦の私が、育児をしながら毎日犬のお世話やしつけ、トレーニングができるのか、不安がないわけではありませんでした。しかし、やってみると意外とスムーズに飼うことができ、育児へのプラス効果はもちろん、自分の行動範囲や視野も広げることができて、一歩踏み出して良かったと思っています。

子どものために犬を飼いたい、と思われている方の参考になればと思い、犬を飼って感じたことをまとめてみました。

犬を迎える直前の我が家

住まい:ペット可マンション
家族構成:私(ADHD特性自覚あり。猫飼育歴あり。)
     夫(猫好き。動物の飼育経験なし)
     息子(小3。ADHD特性見立て有。動物は好きだが積極的には触らない)          

犬を飼った一番の理由は、息子の”思春期対策”

私が犬を飼おうと思った一番の理由は、
・息子にとって思春期に救いとなる存在になる気がした
・私の子離れを助けてくれると思った
です。

私はもともと動物好きで、過去にも猫を飼っていたし、その後も色々な生き物を飼ってみたいと思ってはきましたが、実現はしていませんでした。

子どもをもうけて、怒涛のような乳幼児期を過ぎて、子どもにかかる手が大分減った近年、イギリスのことわざで”子どもが産まれたら犬を飼いなさい”というのがあったな~とも思っていました。

そして、ある時ネットで「犬を飼うと思春期の子どものメンタルが改善する」という記事を見つけて、犬を飼ったことはないのですが、犬に俄然興味が出てきたんです。

そして、親が高齢でひとりっ子、特性もある我が子の将来的な救いになるような直感を感じ、犬を飼うことを前向きに検討しはじめました。

飼おうと決めてからは夫と息子をドッグカフェに連れていって相性やアレルギーがないかを探ったり、本で犬種や犬のしつけの仕方をコツコツ勉強しました。
そして約2年後、念願の子犬を我が家に迎えることができました。

犬を飼って良かったこと

まだ3ヶ月ですが、犬を飼って、圧倒的に良かったと感じています。
今の時点でのメリットを挙げてみました。

家族の笑顔、コミュニケーションが増えた

何と言ってもこれが一番だと思います。
もともと家族全員がおしゃべりで、会話は多い家ですが、ワンちゃんが来て、より一層家族の笑顔や、会話が増えました。

もともと仲は良くても、家族3人というのはバランスをとるのが意外と難しい人数だと感じていました。2対1になって一人が孤立しないように、どこかで気を遣っているというか、、、それが新たに1匹加わり、皆が同じ方向を見ることで、一つになる力が強くなったような気がします。

また、息子にとっては子犬は自分の妹分。元気にしているかよく気にかけてくれて、可愛がっています。

精神的な疲れが癒される

私について言えば、犬の散歩や食事の準備、糞尿の処理など仕事は増え、肉体的な疲れが新たに生じているはずなのですが、犬と触れ合い、コミュニケーションすることで、社会生活や人間関係といった精神的なストレスが驚くほど軽くなっている実感があります。

具体的には、今私がもっともストレスを感じていることは特性持ちの息子と学校との間を取り持つこととか、息子の学校や放課後友達とうまくいかなかったことを聞いてあげること。そういう日常の合間に犬が甘えてきてくれたり、犬とコミュニケーションがうまくとれると、その一瞬の嬉しさや感動が、ストレスを吹き飛ばしてくれてその後も落ち着いた気持ちで過ごすことができることに気づきました。

息子も学校で嫌なことがあったとき、帰宅後真っ先に「〇〇(犬の名前)慰めて~」と話しかけて「〇〇(犬の名前)が舐めてくれた~( ;∀;)」と励まされた様子でした。

これがアニマルセラピー効果か・・・と実感する日々です。

息子の自立がすすんだ

迎えた当初は生後約2ヶ月の小さな子犬で、私も犬を飼うのは初めてだったので、相当振り回されていましたが、息子が焼きもちを焼くというようなことはありませんでした。

8歳という年齢的に、もうそこまで親の愛情を独占したいという気持ちはもともとなかったのだと思います。また、親があたふたしているのを見て、子どもなりに(大変な事態だ、大人を応援しなければ)と思って見ていたのではないかと思います。

そして、一つ上の学年に進学した春というタイミングもあったのでしょうか、以前に増してて自分のことをやってくれたので、私も心おきなく子犬のお世話をすることができました。

(もちろん、子犬のお世話が落ち着いたところで、「ワンちゃんにかかりきりになっちゃってごめんね」と言ったら、「うん」と言っていたので、少しは我慢していた部分もあったようです💦)

ちなみに子犬が来た当初は、慎重な息子はおっかなびっくりであまり触ろうとしませんでしたが、大人の犬の扱い方を見聞きして、徐々に慣れ、今では一緒に遊んだり、撫でたりトレーニングしたりできるようになっています。

犬の生態やしつけが、育児に生きることが多い

意外にも、子犬の育児が小3息子の育児に役立っています。

まず、息子(ヒト)の育児は、犬の育児と比べて楽だと感じることがある点。ヒトである私が、ヒトである息子を育てるのは、言葉も通じるし、共通のルールも教えやすい。犬に対しては、そもそも種が違うので、ルールが根本的に違う。そこを犬側に無理矢理合わせてもらうところがやはり大変。

自分で自分のことがどんどんできるようになっていく息子に対し、人間界で人間に合わせて生きなければいけない犬は、常に私がお世話をしてあげないといけない存在。犬のおかげで息子の(人間の?)良いところも見えやすくなりました。息子が切替ができずにダラダラして(いるように見えて)も、犬と違って一人で服を着て、食器を下げて、明日の時間割を揃えて、登校してくれる( ;∀;) それが実はどれだけすごいことだろう。
犬のおかげで広い視野で息子を見ることができ、無駄にイライラしたり怒ったりすることが減りました。

また、犬を理解する過程で、息子のことをより深く理解することもできました。
例えば、ADHDの過敏性・衝動性。これは、犬の反応性にかなり近いと思いました。犬は動くもの、例えば近くを通った自転車を反射的に追いかける習性を持っています。
ADHDの多動の子たちも興味をひくものを見つけると動くし、他者にちょっかいをかけられると必ずといっていいほど大きく反応してしまう。
この反応が、原始の時代から脈々と遺伝子を通じて受け継がれているのには、おそらくその能力が生き残るために必要だった背景があるのではないでしょうか。もちろん、現代の人間社会で動くものをいちいち追いかける必要はないので、犬も人間もこういう特性は時と場合によって抑えられるようにしていかなければなりませんが。
特性はいい・悪いではなく、TPOによって生かすか殺すかを本人や周りが理解し選択できればいいんだな、と改めて思います。

ただし、注意点も

普通よりスペック低めのADHD傾向母&手のかかる発達特性あり小3男子のいる我が家でも、楽しんでいる犬との暮らしですが、犬との暮らしを楽しむために守るべき点もあるなと感じています。これから同じような状況で犬を飼いたいという人の参考になればと思います。

犬の世話を子どもに期待しない

私が犬との暮らしをするために心がけているのは、子どもに犬のお世話を期待しないということです。

飼おうと言ったのは私(親)ですし、息子は学校に適応することだけで今は精一杯。最初から最後まで大人が責任を負う覚悟で飼っています。もちろん息子にもゆくゆくは散歩や餌やりなどを通じて犬との絆をもっと深めてもらえたらいいなとは思っています。でも、お世話は特性を持つ子どもの成長に合わせて、できることからゆっくりとやっていってほしいです。

今は、サークルの中で一緒に遊んでくれたり、犬がおしっこをしたのを教えてくれたり、私が世話をしたり犬のために調べたり試したりするのを興味をもって眺めていてくれるだけで十分です。

子どもより手のかかる犬はNG

子どもはまだ小学生で、発育途中。
いくら身の回りのことは自分でできるようになったとは言っても、手のかかる局面はもうしばらく続くので、必要な運動量が多かったり、初心者にはしつけが難しい犬は、最初からやめようと思っていました。

犬種図鑑や飼い方の本を読み、初心者におすすめの犬種、といった情報も参考にして私が選んだのはヨークシャーテリア。毛が抜けずに掃除が楽、1回の散歩時間は30~40分程度で、世話をメインにする家族以外にもよくなついてくれること、しつけが難しくないこと、といった条件で選びました。これは、今にして大正解でした。

飼ってみて、初心者なので、犬の飼い方、しつけの仕方といった知識を事前に頭に入れたこともとても良かったと思いましたが、そもそも初心者でも飼える犬、子どもがいても飼える犬を選ぶ犬種選び、個体選びがとても大事だと思いました。おおまかな犬種選びは図鑑や本で、飼いやすい個体選びはブリーダーに相談するのがおすすめです。

もちろん、そういう犬を選んだつもりが、しつけがうまくいかなかった、結果的に問題犬になってしまったという場合もあると思います。私も今後万が一そうなってしまったら、プロのドッグトレーナーにお願いして、問題を早期に解決したいと思います。

犬を飼ったことが息子の思春期のメンタル改善に貢献するのか、また著者自身に長期的に犬を飼うことがどんなメリットをもたらすのか、その答えはまだわからないので、将来また記事にできたらいいなと思います。