発達障害児をもつ親が、我が子の不登校を予防するためにできること




就学して、我が子の個性が学校のシステムと合致していないことに気づく保護者は少なくないと思います。

私もまさにその一人で、まず、小学校1年生のときに学校の先生から指摘があり(その時の記事はコチラ→小学校入学後に発達障害とわかった! どうなる?)、その後、2年生で子どもの学校への強い行き渋りがありました。

実際に不登校にはなっていませんが、息子は発達障害の傾向があり、今までの状況からこの先も続く学校生活で、居心地の悪さや学校生活の難しさを感じ、学校に行けなくなってしまうというリスクは非常に高いのではないか、と感じました。

その不安から、不登校になったらどうなるのか、学校や行政からどういう支援が受けられるのか、民間のフリースクールは受け入れ先となるのか、といったことをとにかく調べまくりました。

発達障害や不登校への不安からあまりに情報収集をし過ぎて混乱したり、「私って、もしかして発達障害&不登校ビジネスの良いカモ⁉」と恐くなる経験もしました。
その経験から学んだまとめはコチラ→本当は怖い⁉ 発達障害や不登校ビジネス! 

そんな時期を過ぎ、今は自分なりに、全く先の見えない不安といったものからは解消され、不登校についての予備知識は得られたような気持ちになっています。

そして、新たに”不登校”に対する覚悟というようなものが生れてきたように思います。

不登校を何となくつかんだ上で、家庭でできることも見えてきたので、まとめてみました。

同じ不安を抱えている方のヒントになれば幸いです。

発達障害児の親が不登校予防のために家庭でできること

不登校は、不登校になる前から始まっている!

元不登校ママ ランさんのブログから、すごい名言だ!とビビッときたのが

不登校になる前から不登校は始まっている 

という言葉です。

私は不登校経験も不登校の親経験もありませんが、発達障害の息子を何とかかんとか毎日小学校に送り出しており、これは真実だろうと直感しました。

子どもが学校に30日以上行けなくなったら(不登校の定義)、それはもう、本当に行けなくなったということなのです。

おそらくいったん不登校になってしまったら、多くのケースで、ある程度長期化はするのだと思います。

不登校は、子どもが不登校になる前に出していた危険信号に親や学校が気付いて、対応できなかった結果なんだろうと思います。

全く気付かなかったパターン、気付いていたが対応しなかったパターン、気付いて対応したが、対応が逆効果だったパターンと色々あると思います。

私だったら、どうだろうと考えてみました。

息子が発達障害で、学校生活に困難を感じる部分があるということ自体はわかっているので、子どもの出すSOSサインに気付くことはできるような気がします。ただ、そのひとつひとつの問題に、具体的にどう対応するかといったことは試行錯誤しながら、親も全くの手探り状態。低空飛行を何とか続けている感じですが、私が忙しかったり別の用事に気を取られて、子どもの課題解決を後回しにしてしまったら、すぐに大きな問題に派生してしまう気がします。そして、その行く末に”不登校”の文字が。。。

 

不登校予防その1.日々、子どもの話を共感しながら聞く

日々の中で、親が子どもの話をゆったりとした気持ちで肯定的に聞く時間が持てなければ、子どものストレスは蓄積されていくでしょう。学校という場でストレスを感じやすい発達障害児はなおさらです。

大人であれば、ストレスの原因を自覚して、対策を立てたり、発散方法を実行したりできますが、子どもは何が原因かはっきりとできずに、ただ漠然と疲れた気持ち、満たされない気持ちに呑まれていってしまう可能性があります。

子どものストレスは、大人が聞いて、理解して、発散方法を一緒に見つけて、やっと解消できるということを忘れてはいけないと思います。

子どもの話を聞くよりも、自分の仕事や他のことを優先するような毎日は、子どもが不登校へ向かうエレベーターに乗ったと考えないといけないのかもしれません。

 

不登校予防その2.子どもの自己肯定感が育っているか、3つの点で確認する

不登校の理由がはっきりとわかっていない発達障害児の場合、考えられるのが、対人スキル、学習能力、自己管理能力といった力の不足や学校のルールへの適応の難しさ、感覚過敏だそうです。こういった原因があるために、学校において適切な配慮がなかったり、また、仮に配慮をしてもらっていたとしても、不安を感じたりストレスを感じて学校に行けなくなってしまうとのこと。

家庭で普段接する場合や、学校の話を聞く場合に、この観点で、子どもが能力不足に陥って困っていないか確認することが大事だと感じます。はっきりと「困っている」と言わなかったとしても、困惑や不満を抱いているようであれば、その精神的負担が軽くなるような言葉がけや具体的な手助けが必要。特に長引くと思われる問題については、学校や発達相談支援センターなど支援機関を巻き込んで解決の後押しをすることが必要になってくると思います。

対人スキル・・・友人との間にトラブルはないか。友人との間で円滑なコミュニケーションができているか。良い影響を受けている友人がいるか。

学習能力・・・学校での勉強についていっているか。理解できずに自信をなくしている教科はないか。

自己管理能力・・・早寝早起きを自分から率先してできているか、忘れ物や計画の実行などで肯定的な自己評価ができているか。自分で決めたことを自分で実行できているか。

学校のルールへの適応の難しさ、感覚過敏・・・学校生活で感覚的に辛いと感じていることはないか。座っている時間が長すぎることへのストレス、教室内の音、体育着の手触りによる苦痛など。

特に発達障害を抱えていると、日頃から「褒める」子育てを意識している人は多いと思うのですが、褒めることを心がけていても、それだけで子どもの自己肯定感が順調に育つとは限りません。学校生活の小さな出来事で揺らいでしまうなら、まだまだ本人の中の自信の芽が小さいということなので、家庭でも学校でも本人が自信を持てるような環境を作ったり、支援の手を厚くしていく必要があるのだと思います。

また、学校のルールへの適応の難しさや感覚過敏などは学校側で環境を変えてもらうことによって軽減される部分が大きいので、より良い環境で勉強できるよう親が交渉していくことが一番だと思います。

 

不登校予防その3.不登校になったら相談する場所を見つけておく

備えあれば、憂いなし。

あらかじめ不登校になった場合の相談先やサポート内容を知っておくと、親に心の余裕が生まれます。

私も今の学校に不登校になった場合の対応を聞くのはもちろん、学校以外の相談先や居場所について調べることで、少し安心できた部分がありました。在籍校以外にも相談の窓口があり、臨床心理士の方など、専門家のアドバイスを受けることができるということがわかり、その点は心強く感じました。

と同時に、公的機関が行う不登校支援に、心もとなさも感じました。「学校が嫌い」だから学校に行けないのに、結局「学校に行けるようになろう」というゴールに向かう支援一本しかないのです。(※私が聞いたのは教育委員会の不登校支援内容なので、他の公的機関では別かもしれません)学校が変わるのではなく、子どもの意識を変えさせようとだけする方法のように感じ、これでは効果がそれほど望めないのでは、、、と思いました。

また、子どもによって、フリースクールとか、ホームスクーリングとか、もっと多様な不登校の出口が用意されていていいのに、学校に行かない選択肢への支援が全くないのは、とても残念でした。

公的機関の支援だけではなく、民間のフリースクールについても情報収集してみましたが、やはり費用が高額に感じ、現実味を感じませんでした。

ともあれ、実際に不登校になると、こういう流れで、こういう支援を受けられる、という大まかな内容を知ることができたのは、私にとってはとても大きなことでした。親や子どもが話をじっくりと聞いてもらえて、アドバイスをもらえる場所があるということはそれだけでありがたいことです。精神的な支えになると思いました。一方で、不登校になった場合のリスクの大きさも改めて感じることができました。支援はありがたいけれど、実際そのような支援内容によって再び学校に行けるようになるかどうかはケースバイケースだろうな、、、支援ではなく、時が解決して進学のタイミングで学校に行けるようになるケースも多いんだろうな、と正直思いました。だとすれば家庭で普段からもう少しできることがあるな、と素直に思うこともできました。

まとめ

発達障害児は、残念ながら大半の子が、不登校のリスクがとても高いと思います。

成長とともに、学校生活に適応していっているように見えても、実は親を心配させないように我慢しているだけのこともあるでしょう。

今回挙げたような不登校予防をしても、もちろん結果的に不登校になる場合もあると思います。

ただ、実際になった場合に、親は、子どもも、自分自身も、学校も責め過ぎないようにするために、心構えをしておくことが大事なのではないかと思います。

親として、やるべきことはやってきたという満足感があれば、子どもが例え学校に行けなくなったとしても、次の段階に進む選択を比較的楽に受け入れることができるような気がするのです。